健康診断のエビデンス
健康診断:主要16検査項目、効果に疑問 予防に根拠なし−−厚労省研究班が報告書 (毎日新聞)
健康診断で実施されている代表的な24の検査項目のうち、肝機能検査や心電図測定など16項目は、病気の予防や死者の減少という視点では有効性を示す根拠が薄いとの評価結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。
その結果、「血圧の測定」と、「飲酒」と「喫煙」に関する問診は、効果を示す十分な証拠があった。「身長・体重の測定」は減量指導を充実すれば有効、糖尿病検査の「糖負荷試験」や、「うつ病を調べる問診」は、健診後の指導や治療の体制整備を条件に、有効と評価された。健診が有効とされたのは以上の6項目のみ。他に2項目が判定保留となった。
◆有効性について厳しい評価をした主な項目◆
一般的な問診 明確な証拠はない 視力検査 勧めるだけの証拠はない 聴力検査 勧めるだけの証拠はない 身体診察 明確な証拠はない 聴診 明確な証拠はない 腹部診察 ほとんど証拠がない 心電図測定 虚血性心疾患の発見には無意味 胸部X線 肺がん発見に有効との証拠なし コレステロール検査 コレステロール低下には役立つが心筋梗塞(こうそく)予防に有効との証拠なし 肝機能検査(GOT、GPT、γGTP) 実施の意義を再検討すべきだ 尿検査 糖尿病発見には不適切。腎不全などを防ぐ証拠はない 血球数など 有効性を示唆する十分な証拠はない C型肝炎検診 判定保留 B型肝炎検診 判定保留